サーカスの像は、どうやって飼育されているかご存知ですか?
あんな大きなものを入れるオリやカゴはありませんよね?
実は、使い古されたロープがたった一本、片足に巻かれているだけなのです。
どうして逃げないのでしょうか?
力もありますから、人間なんか蹴散らして、逃げようと思えばいつでも逃げ出せるにもかかわらず・・・です。
秘密は、子どもの頃にありました。
体の小さいときから、いつも片足にロープ一本で縛りつけておくことに、”慣れさせている”のです。
そうすることで、大きくなって力が強くなったとしても、
”いつものロープ”
が片足に巻き付けられた瞬間から、
”逃げられない”
と思い込むように教育されているのです。
学習性無力感という罠
このサーカスの像は、
”学習性無力感”
といわれる状態にハマっています。
これは、心理学者のセリグマン教授が、犬の実験で実証したもので(←学習性無力感は恐ろしい|セリグマンの犬の実験)、
”どうせ無駄” ・ ”どうせできない”
という”やるだけ無駄”の思い込みにより、無力となってしまい、次の行動を起こせない状態になってしまうことです。
人間に当てはめて考えるとどうでしょう・・・・
仕事のできないオトナ
社会の虚しさみたいなものを悟ったサラリーマン・・・
あなたの周りに、ヘンに脱力してしまっている人はいないでしょうか?
あなたにもロープがありませんか?
像のロープのように、あなたの行動をブレーキしているものはありませんか?
無意識のうちに、見えないロープを自分で作っていないでしょうか?
同じ環境、同じ人たちに囲まれた生活をしていると、それが普通になりすぎて、特にそれを変えようという意識はなかなか働きません。
もちろん、それが幸せで満足のいく生活であれば何の問題もありません。
もしかしたら、サーカスの像もそれを望んでそうしているのかもしれません。
しかし、像が逃げようと思えば逃げられるように、生活を変えようと思えば変えられるのです。
それを、”あきらめている”ということに気づかないことほど恐ろしいものはありません。
あなたを縛り付けて、逃げられないと思い込ませているものは、実は単なる”細いロープ”だったりするのかもしれません。
なにか行動を起こそうとする時には、そんな思考をしてみることも必要ですね。
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