「学校の勉強ってオトナになってからなんの役に立つの?」
あなたは、お子さんからのこんな質問にきちんと答えることができますか?
おそらく、きちんと自信を持って答えられていないのではないでしょうか?
なぜなら・・・
「ほとんどは役には立たないことが事実、でも役に立たないなんて言って勉強しなくなったら困る・・・」
というのが本音だからです。
学校の勉強が、それほど仕事に役立たないことは、日常的な経験として理解されています。
・真面目よりも要領の良いヤツほど仕事がデキる・・・
・一つの答えを導くよりも、論理的な思考力が必要・・・
・英語が得意でも、話す内容がないと意味がない・・・
・単なる知識ならネット検索などいくらでも収集できる・・・
学校の勉強の一問一答的な知識がいくら詰め込まれていたとしても、そんなものはビジネスには役に立たないことははっきりしています。
ビジネスの現場におけるコミュニケーション能力だったり、問題解決能力などは、学校では教えてくれません。
では、なぜ高いお金をかけて塾や予備校に通い、より難関とされる大学を目指して子どもに勉強させることに
親は一生懸命なのでしょうか?
学歴が重要な本当の理由
学歴なんて、ビジネスを実際にやるうえでは直接的には関係ないのは事実、
学歴は大したことなくても、ビジネスで成功している人はたくさんいるのも事実・・・です。
その一方で、
学歴が高いと年収が高い人が相対的に多い
というのも、これまた”事実”です。
なんだか、矛盾しているような・・していないような・・・
モヤっとした気分になってしまいますね。
これは、「シグナリング理論」で説明すると納得がいきます。
なんと、アメリカのマイケル・スペンス博士という人がノーベル経済学賞を受賞した理論です。
この理論の特徴は、
学歴とはその人の能力を他人に知らせるシグナルとみなす
というものです。
どういうことかと言うと、
学歴はその人の能力を示すものと考えられて、年収の高い職業に就きやすくなる
というものです。
つまり、
一定の学歴によって、自分はバカではなく、アタマが良いことを他人に示すことができる
という訳です。
給料の高い一流と呼ばれる企業に就職する場合、採用担当は一目見てその人が仕事ができるかどうかを判断することはできません。
「一定の人数を採用するのですが、そのうち100%全員が仕事がデキる人間ではなく、ある一定数はデキない人も含まれている」
ということを最初から見込んで採用するのです。
内に秘めているポテンシャルを見抜くのはとても難しいです。いくらサークルやアルバイトの経験などを語られたとしても、そんなことで判断のしようがありません。
ただし、これまでの経験上、学歴が高い人間の方が、デキない人が含まれる”確率が低い”ので、とりあえず学歴を重視して採用するのです。
まさに、学歴は、世の中の無難な”モノサシ”という訳です。
オトナになると、その”モノサシ”にあてられる場面はよくあります。
そのことを肌で実感しているオトナほど、子どもたちに一生懸命勉強させる・・という訳です。
子どもには、このモノサシがあることをやんわり伝えておくのも、必要なことかもしれませんね。
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