「子どもをどんなふうに育てたいですか?」
という質問に対し、ものわかりのよりお父さん・お母さんはこう答えます。
「個性的な子どもになってほしい」
幼稚園、学校に入るころには、どんなことを心配されているでしょうか?
「学校になじめるかしら」
「まわりから浮いた存在にならないだろうか?」
「人並みの成績は取れるだろうか?」
「目立って逆にいじめられたりしないだろうか?」
日本の”学校”と呼ばれるところでは、決して個性など重んじていません。なので、このような心配をして、”そこそこ個性的であること”を望んでいるのが実情ではないでしょうか?
進路についてはどうでしょうか?個性的に・・・とはいうものの・・・
「結婚して、幸せな家庭を築いてほしい」
「そのために公務員か大企業に就職してほしい」
「そのためにイイ大学に入ってほしい」
「そのためにイイ高校、中学に入ってほしい」
という、日本でもっとも重要視される”安定した人生”を望んでいるのではないでしょうか?
これでは個性的な人が育ちそうもありません・・・。
子どもは生まれたときから、無限の可能性、創造力を持っています。それを活かせる社会になっていかないと日本は本当に均質化したつまらない国になってしまうのかも知れません。
本当の希望を見失わないために
テレビやインターネットで垂れ流されている広告は、人間の飢餓感をあおるものがほとんどです。
お金持ちの豪華な暮らしぶり、高級車の快適さ、とても高級で美味なレストラン、1年で2億稼いだという成功者のストーリー、若々しく美しい女性の秘訣・・・
私たちは、金、モノ、外見といった価値を重視し、それが幸せに直結しているように錯覚させられていないでしょうか?
それほどお金持ちでなくとも、先に書いた”安定した人生”が最良だなんて、今の時代、果たして本当にそうなんでしょうか?
哲学者のアーヴァインは、
「人は、何が自分を幸せにするのかについて、間違った欲望を形成する
(=ミス・ウォンティング=”欲求ミス”を犯す)」
と指摘しています。
たとえば、父親が立派なお医者さんの子どもが、幼いころから周りの人から刷り込まれた結果、
「自分は医者になりたい」
と勘違いし、
猛勉強して医学部に入学したところで、全く向いていないことに気付いてしまう・・・
といったことが実際にはよく起こってしまうのです。
”本当に望んでいるものが何なのか?”
を勘違いをさせてしまうと、結果的に不幸になってしまいます。
親の過剰な期待や、ネット上にあふれるいろんなウワサやその時々のムード、
マスコミの話題作りのためのミスリード・・・そんな情報があふれている世の中で、
簡単に自分の欲望を変化させてしまう
ことが起きてしまうことには注意しなければなりません。
社会を生きているお父さんは、それができる存在として、とても重要な役割をもっているのですね。
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